保護猫を迎えてから、
しばらく気になっていたのが、
「この子、ほとんど鳴かないな」ということでした。
鳴き声が小さいのか、
それとも本当に鳴かないのか。
家族に聞いても、
「鳴いてるの、聞いたことないよ」と言われて、
余計に心配になりました。
「保護猫は鳴かないこともある」と聞いても不安だった
調べてみると、
保護猫は環境に慣れるまで鳴かないこともある、
という情報はよく見かけました。
頭では理解していても、
やっぱりどこかで、
「本当に大丈夫なのかな?」という気持ちは消えませんでした。
元気がないわけではないけれど、
声を聞かないというだけで、
つい気になってしまいます。
家族は誰も聞いていない鳴き声
そんな中、ある朝のことです。
家族が起きる前、
わたしが一人でソファに座って、
スマホを見ていたとき、
小さく「ニャーニャー」という声が聞こえました。
呼ぶような、
甘えるような、
とても控えめな鳴き声でした。
家族に話しても、
「え?聞いたことないよ」と言われるので、
どうやら、その時間だけだったようです。
鳴かないのではなく、「選んで鳴いていた」
そのとき初めて、
「鳴かない」のではなく、
「鳴く相手や時間を選んでいるのかもしれない」と思いました。
家の中が静かで、
人の気配が少ない朝。
一対一の距離感だからこそ、
声を出せたのかもしれません。
それは、大きな鳴き声ではなかったけれど、
この家に慣れ始めているサインのように感じました。
鳴き声は、安心のバロメーターだった
それからは、
鳴き声が少ないことを、
あまり気にしなくなりました。
静かなのは、
この子の性格かもしれないし、
まだ慎重なだけかもしれない。
でも、
誰もいない朝に、
そっと鳴いてくれたことが、
わたしにとっては大きな安心材料でした。
鳴かない=問題、ではなかった
鳴かないからといって、
不安になる必要はなかったんだと、
今は思います。
声を出さなくても、
ちゃんと見て、聞いて、
安心できる相手を選んでいる。
保護猫の鳴き声は、
分かりやすくないことも多いけれど、
ふとした瞬間に、
ちゃんとサインを出してくれるのだと思います。


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